昨夜から今朝にかけて、史明くんにこれでもかというくらい攻められた。
最初は帰宅してすぐにそのままベッドで何度も何度も抱かれて、その後お風呂に移動して
そこでも散々身体を弄られて、何度も意識を飛ばされた。
なのに、お風呂から上がった後もシーツを新しくしたベッドで、明け方まで求められて攻め立てられた。
いつもと、どこか違ってた史明くん。
そう言えば最後に “やはり子供ができる前に先に籍だけでも入れましょうね” なんて言ってたような……。
でも頭も身体も朦朧としてて、記憶が曖昧でよくわからない。
そう言えば史明くん、避妊は全くしてなかったみたいよね……なんて、それこそ今さらながらに思い出す。
そんなことも口に出せないほど、攻められ続けてたから。
昨夜から今朝にかけて、自分を思い出すとちょっと恥ずかしいかも?
ううん……ちょっとどころじゃないくらい恥ずかしい。
どれだけ声を出して啼いて泣いて……乱れたんだろう。
でもこんなに何度も一晩のうちに求められるなんて初めてで、身体がいうことを利かない。
クッタリと言う言葉が当てはまるくらいに身体に力が入らない。
腰も痛いし喉も痛い。
なのになんで目が覚めたのかしら?
しかも、目覚ましが鳴る前に?
当たり前だけど私も史明くんも裸のまま、シングルベッドにこれでもかってくらい密着して布団に包まってる。
背中から史明くんの腕が伸びて、私の身体をぎゅっと抱きしめて眠ってる。
それはいつものこと。
そんなふうに寝ても、暑くないからかまわないのだけれど……ナゼか剥き出しの肩が少し肌寒く感じて不思議に思った。
なんで?と考えて、素肌に涼しい風が当たるのに気づいた。
ん?なんで風が身体に当たるの?
そんなことを思いながら、風が入り込んでくると思われる方を見て頭が真っ白になる!!
ななななななな……なんで!?
どう見てもベッドに近い窓がしっかりと開いてる!?
なんで??どうして窓が開いてるの!!??
昨夜、私ちゃんと閉めたわよね?
いつもちゃんと閉めるし、史明くんが毎日ここに泊まるようになってから余計に気にしてたから、
閉め忘れるなんてことあるわけがない。
というコトは……?
肩越しに顔だけ振り返れば、満足そうにうっすらと笑いながら眠ってる史明くんの顔。
「ふ……史明くん!!」
「…………」
呼んだくらいじゃ目を覚まさないから、史明くんのほうに向きなおそうと思ったのに、
ガッシリと抱きしめられてて動けなかった。
「もう……」
仕方がないからそのまま頭を後ろに逸らして、後頭部を史明くんにぶつける。
頭に先っちょが当たってる感覚がしたところをみると、どうやらハナに後頭部がぶつかってるらしい。
さすがに思い切りは可哀想だし痛そうだったから軽くにしたけど、ちょっと力を込めてしまったのは仕方ないことだと思う。
史明くんがワ・ザ・と!窓を開けたんだと思うから。
「……つぅ!」
何度目かの小突きで、やっと史明くんが目を覚ました。
「おはよう、史明くん。やっと起きた」
「イタっ……おはようございます、静乃さん。刺激的な起こし方ですね」
フフ♪ なんて笑っちゃって!!
しかも、さらに私に回した腕に力を込めて抱きしめて、肩越しに顔を摺り寄せてくる。
「まだ起きるには早いのではないですか」
そのまま頬にキスをしようとするから、思わず声を掛けた。
「ストップ!史明くん」
「はい?」
「どうして窓開けたりしたの?」
「はい?」
「窓よ!あそこの窓開けたの史明くんでしょ?私ちゃんと閉めたもの」
そう言って、目線だけ開いてる窓のほうを見る。
「ああ……ええ、僕が開けました」
「もっ!!なんで?どうしてそんなこと……」
ケロッと、なんでもないことのようにサラリと認める史明くん。
「いえ……昨夜はちょっと蒸し暑いかな……と思いまして。それがなにか」
「それがなにかって……だって……昨夜は……」
激しかったじゃない!!なんて大きな声で言いそうになって、思わず最後が小さな声になる。
「昨夜は風呂あがりの静乃さんに欲情してしまって、激しく求めてしまいました。
静乃さん、身体は大丈夫でしたか?静乃さんのあまりの色っぽさに、我を忘れて求めてしまいました。
静乃さんにはかなり無理をさせてしまいましたよね……ごめんなさい。怒ってますか」
次第に声のトーンが下がって、 “キュ〜〜〜ン” って聞こえる。
ダメダメ!!しっかり!私!!
「お……怒ってるとかじゃなくて、どうして私に黙って窓開けたりするの?暑かったら冷房入れるなりできたでしょ?
なんで窓開けるの?知ってるでしょ、ここ防音設備整ってないの。窓なんて開けたらご近所に丸聞こえ……」
言いながら、昨夜の自分を思い出して一気に顔が赤くなる。
「そうですね、冷房を入れればよかったんですね。僕気づかなくて」
「ウソッ!!気づかないなんてウソでしょ!!」
「そんな……本当です」
また、フフ♪ っと笑う。
私は顔を真っ赤にしながら涙目。
「静乃さん、どうかされました?」
「…………もう……ここにいられない……」
「え?」
「だって!私、昨夜あんなに!!」
「あんなに?」
「!!」
言って聞き返されて、自分でもわかるくらい顔が赤くなってると思う。
「ああ……僕は嬉しかったですよ、僕であんなにも感じてくれたんですから」
「…………」
後ろから抱きかかえられたまま、私は布団の中で俯いてしまった。
昨夜……昨夜……昨夜ーーーー!!
確かに恥ずかしいくらい史明くんに翻弄されてた。
あられもないほど声をあげてたはず……その証拠に、この喉の痛み。
「うう……恥ずかしい……」
「そうですね……ご近所に聞こえてしまいましたかね」
「!!」
この確信犯!!
なにが “聞こえてしまいましたかね” よ!
狙ってたんでしょう!ソ・レ・をっ!!
「史明く……」
普段、私は余程のことではないと史明くんに怒ったりしない。
ナゼか史明くんに対して、そんなに怒りというモノを感じないからなんだけれど……このことは、今までとは違う。
どんな破廉恥な女だと、ご近所に知れ渡っちゃったじゃないのよ!!もう!!
そう文句を言おうとすると、史明くんが当たり前のように言う。
「では今日から僕の部屋で暮らしましょう」
「え?」
「僕のところの防犯設備はここと比べるとかなりしっかりしてますし、防音設備も完璧です」
「…………」
「お風呂だって2人で入っても余裕ですし、湯船も2人で入っても足を伸ばせます」
肩越しに覗き込んでる史明くんの顔は、寝起きのクセにニッコニコで上機嫌。
「ね?そうしましょう、静乃さん」
「…………」
「まだ踏ん切りがつきませんか」
「え?あっ……」
返事を言い淀んでいると片手を私の身体に後ろから回したまま、もう片方の手は閉じてた足の間に
スルリと滑り込ませて開かせると、ズンっと身体が下から上に持って行かれた。
「ひゃっ……ああっ!!やあ!!」
後ろからいきなり押し上げられた。
昨夜からの行為で、私の身体は簡単に史明くんを受け入れた。
寝起きで動きの鈍い身体に、かなりの衝撃が加わって一気に目が覚めた。
「史……明く……ん……あっあっあっ!!」
「いつも……起きる時間より30分早い……ですから……その分、愛し合いましょう」
「やっ……んんっ!!」
何度も何度も押し上げられて声があがる。
でも史明くんに抱きしめられてて腕が動かせなくて、自分の口を塞ぐことができない。
なんとか唇を噛んで声を抑えようとするけど、そうすると史明くんの動きがさらに激しくなって堪えることができなくなる。
「んあっ!!や……ダメ……史明く……あっああんっ!!」
「堪えるなんて……今さらですよ」
「あっ……」
耳の中に直接声を注ぎ込まれて、余計にゾクリとなった。
「昨夜はこの体勢で愛し合いませんでしたからね」
「はっ…あっあっ……んあっ!」
「また声が聞こえてしまってるでしょうか」
「あんっ!あっ…も…史明くん!やめ…んあっ!」
後から乱暴にも思えるほど激しく史明くんの身体がぶつかって、私の身体も大きく前後に揺れる。
ベッドまでもがギシギシと大きな音をたて始めた。
「静乃さん……僕のところに……ハァ……来てくれますか?」
「あっあっあっ……」
「静乃さん」
「んんっ!!」
足を押さえていた手が離れて、史明くんを受け入れているすぐ近くの敏感な芽を指先が掠めて撫でる。
「ひゃう!あああっ」
「静乃さん返事をしてください。はいって……わかったと」
「あぁ……」
「静乃さん」
「んんっ」
名前を呼ばれて肩越しにキスされてずっと激しく攻められて指で弄られて、もうなにもかもいっぱいいっぱいで
やっとキスから解放されたときは、掠れた声で “わかった” と頷いてた。
「うれしいです、静乃さん」
「……はぁ……はぁ……」
私が頷くとあれほど激しく攻め立ててた史明くんがジッと動かなくなって、項に額をスリスリとしてきたからホッとしてしまった。
未だに史明くんと繋がったままだということを忘れて。
「!!」
身体に回された腕が外されたと思ったら、そのままうつ伏せにされた。
「え?あっ!!」
「うれしい」
「あ……ちょっ……史明くん?ひゃあっ!!ああっ!!」
腰を掴まれて、後から攻められた。
今度は激しいというよりも、ゆっくりと大きく史明くんの身体が前後に動いて、私の身体もゆっくりと大きく揺れた。
ゆっくりなのに押し上げるときは力が込められるのか、ズンと身体の奥まで史明くんを感じてしまう。
「ふ……うっ!んっ!」
だから押し潰されたような声がもれて、息も詰まる感じだった。
それからだんだんと動きが早くなって、史明くんの私の腰を掴む手の力も強くなってくる。
ぐっと押さえつけられて、力強く身体の奥まで攻められた。
「んあっ!あんっ!あっあっ!!」
頭も身体もわけがわからなくなって、感じるままに声がもれた。
「静乃さん」
背中から覆い被さるように抱きかかえられて、名前を耳に囁かれる。
その間も、史明くんの動きは止まらない。
下から掬い上げるように両手で触れた胸は、史明くんの思うままに形を変え胸の先までも指でいいように弄られてる。
「はうっ!んっんっ!!」
胸を弄られるたびに背中に痺れるような感覚が走って、史明くんが私の身体の中を激しく動く度に
下半身に耐え難い疼きが湧き上がる。
そんなことが、さっきからどれだけ続いてるんだろう?
いつもより30分早いと言っていたけれど、もうどのくらい時間が経ったのかしら?
ちょっと……朝からこんな激しいのは勘弁してほしい!!
シーツに顔を押し付けて、声を抑えることも許されず(しようとすると史明くんに顔を起こされる)、
口を閉じることも許されなくて(閉じようとすると激しく動かれて無理)、また近所の人に声を聞かれちゃうじゃないのよーーー!
と頭の片隅に思ったけれど、どうすることもできなかった。
やっと開放されたときは、史明くんが私の中で2度目に果てた後だった。
そう言えばお互いの気持ちを確かめ合ってから、史明くんは一度も避妊したことはなかったな……なんて今さらながら思った。
これから仕事なのに……そんなことを思いながら、ウトウトとしてくる。
そんな私に、史明くんが何か言ってる。
「やはり先に子供ができてしまうかもしれないので、日曜日に静乃さんのご両親に会ったとき、
先に籍だけ入れさせてほしいと話したほうがいいですよね。そうですね、そうしましょう。静乃さんもそれでよろしいですよね」
よろしいもなにも、もう返事をする余裕もありませんって!!
ホント史明くんってこっちに関しては二重人格なんだから!!
頭の中で悪態をつきながら、瞼が閉じて意識がかすれてくる。
寝れる、このまま寝れるよ、私!!
うつ伏せのまま心地よい眠りに誘われる。
なんだか項やら背中やらお尻やらに、柔らかいモノが押し付けられたり触れる感覚があるけれど、
それすらも今は気持ちよく思う。
ああ……仕事……行くんだから起きなくちゃ……んーーそう起きなくちゃ……。
そう思いながらも意識が飛びそうになったとき、無情にも目覚ましのアラームが鳴った。
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