keep it up !


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「ちゅっ……」

「へ?」

頬に触れてる手はそのままに隼斗が……隼斗が……私に……

キスしたーーーーーー!?

うそ!!うそうそうそぉーーーーー!!!


「なんだその間抜け面は?」
「……うえ?あ……うぅ………」
「何語だそりゃ?」
「…………」

そ…そりゃ変な風にもなるでしょ?いきなり……こんなことするんだから!!

「もう逃げられねえだろ?千夏」
「はい?」
「今日1日しんどかったぜ〜」
「は?」

何が?

「朝から浮かれるほど嬉しかったんだけどよ…
露骨にそんな態度とったら千夏旅行止めるって言い出しかねなかったからな」

「………」

何を言ってるんだ?隼斗は??

「もう逃がさねえからな…千夏……」

そう言って隼斗が私に向かって男気たっぷの妖しい笑いを見せた。

その笑顔を見た瞬間…私の身体が震えたのはいうまでもないだろう……

目の前にいるのは肉食系男子なのだ……
「喰われる」 一瞬で私の頭の中にその言葉が浮かんでそれが現実のものになるには
そんなに時間は掛からないと思われる……

「普通の振りをしてるのがこんなに辛いもんだったとは知らなかった……」
「ちょっと……離して……」

いつの間にか私の顔は隼斗の両方の手の平でしっかりと挟まれて隼斗の真正面で固定されてる。
私はそんな張り付いてる隼斗の手を必死に引き剥がそうとするけど全然びくともしない。

「覚悟決めろ…千夏」
「だ…誰が…うっ……」

言おうとした抗議は隼斗の唇で塞がれた…

「ふぅ!!」

思った通り力強いキスだ…ゆっくりと自分の口の中を隼斗によって解されていく…
ちょっと待ってよ……そんな……いきなり……

「うぅ……」

ホント…いきなりすぎるってば!!

強引に入って来た隼斗の舌が私の口の中で我がもの顔で動き廻る。
逃げようとしてもそれは叶わなくて…
私の呼吸までも奪うようなキスが延々と続く……
何度も何度も角度を変えて……舌を吸われて…唇も舌の先でそっとなぞられて…

「あ…」

色んな所がぞくぞくして思わず声がもれた……

「キスは今日で2度目だからこれから千夏で練習する」
「はあ?何言って……!!」

身体がフワリと浮いたと思ったらひんやりとした柔らかな上に下ろされた。
そこがどこか理解する前に隼斗が私の上に覆いかぶさって来て動きを封じられる。
そしてまた貪られるように隼斗が私の唇を奪う。

「ンンっ!!」

空いた両手で隼斗の肩や胸を叩きまくった。

「……ぷはぁ!!!ちょっと!いい加減にしなさいよっ!!」
「悪りぃ…でも許せなんせ19年我慢してたんだから」

やっと離れた隼斗はニコニコの顔しちゃって……
いい年の男がそんな顔怖いって!

「4歳からこんなことやりたかったの?エロガキ!」
「は?ああ…こう言うことは中坊くらいか?だから10年?」
「………」
「千夏……」

隼斗の大きな手が私の頬に優しく触れる。

「なるべく優しくする様に努力する」
「何よ努力って!」
「自信ねえから…」
「………」

今度は全身から血の気が引く。
隼斗の言ってる事がわかり過ぎるくらいわかるから……
何とも言えない気持ちがさっきからずっと胸の中に湧き起こってる……

「ちょっ…どきなさいよ!!冗談じゃないってば!!」
「だから諦めろって…」
「誰が簡単に諦めますかっての!」

隼斗の胸と肩を叩いたり押したりしたけどやっぱりびくともしなくて…

「あっ!!」

結局両腕を掴まれて布団に押さえ込まれた。
自分の顔の横でバンザイ状態…

「千夏…」
「………」

私の腕を押さえながら隼斗の顔が近づいてくる…
またキスされる……そう思った時私の口からサラリと言葉がもれる……

「私初めてじゃないわよ」

「!!」


隼斗の唇の温度がわかるくらいの距離で隼斗の身体がピタリと止まった。





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