keep it up !


13




「千夏……」

何度名前を呼ばれただろう……

耳元で唇の上で……一緒に隼斗からのキスが落ちてくる……
着てた浴衣はとっくに隼斗の手によってあっさり脱がされた。

下着も荒々しくキスをしてる間にいとも簡単に取られて脱がされた。

ブラのホックを外す時の素早さはあまりにも慣れててちょっとムカついた。


「隼斗……」
「ん?」

首や唇や鎖骨に楽しそうに唇を押し付けてる隼人を呼ぶ。

「あ……あの……電気消して……」
「なんで?」
「は……恥ずかしいからに決まってるでしょ!」
「大丈夫だって。今に恥ずかしいなんて考えられなくなる」
「今が恥ずかしいのよ!集中できない!!」
「……集中ねえ〜」

まあ嫌がられてるわけじゃないから今日は言う事を聞いてやるか……後でじっくり見ればいいし……

「仕方ねえな」

隼斗が本当に仕方ないなって感じに起き上がって電気のコードに手を伸ばす。
昔ながらの部屋の電気が2度ほどカチカチとなると部屋の中が豆電球で丁度いい明るさになった。

だってそんな明るさの下でもちゃんと立ってる隼斗の顔も見えるもの……
何?そのニヤついた顔は??……って……

「ハッ!」

そうだ!私からも隼斗のことが薄明かりでもハッキリクッキリ見えるって事は
隼斗からもハッキリクッキリ見えるって事で……
まだ浴衣を着てる隼斗と違って私は……

「バカッ!!見るな!!」

慌てて両腕で胸を隠して横を向いた。

「何気にしてんだよ?隠さなくたっていいだろうが」
「やだ!恥ずかしいってさっきから言ってるでしょ!」
「今更何が恥ずかしいんだか?ガキの頃一緒に風呂入ってたじゃん」
「いつの話ししてるのよっ!」
「しゃーねーな ♪ オレも脱ぐからいいだろ?」
「へ?」

そう言い終らないうちに隼斗は私の身体を跨ぐように立ったまま浴衣の帯を解き始めた。

「え?ちょっ……」

帯をポンと布団の先の畳に放ると浴衣に手を掛けてなんの躊躇も無くバサリと脱いだ。
薄明るい豆電球の明かりの下で隼斗の引き締まった小麦色の肌が露わになる。
下着に手が掛かった時私は慌てて目を逸らした。

「なんで目逸らす?」

横を向いたままの私の上に覆い被さる様に近付いてくる。

横を向いてた私の視界に隼斗の手が入った。
どうやら反対にも手を着いてて四つん這い状態で私をのぞき込んでるらしい。

「正視に堪えられないわよ!」
「そんな初心だった?千夏」
「め…免疫が無いんです!隼斗と違って!!」

嫌味半分気付いたか?

「千夏はオレで免疫つければいいんだよ」

言いながら両腕の肘を着いて私の上に覆いかぶさって来た。
さっきと違って隼斗の肌が直接私の身体に触れて……何とも言えない気持ちいい肌触りで……
お酒を飲んだせいなのか隼斗の身体はちょっと熱かった……

乾いた人の肌がこんな気持ちいいものだとは思わなかった……

でも……それは……隼斗だから?

「…………」
「他の野郎で免疫つける必要なんてねえ。他の野郎の裸も見る必要もねえ!」
「隼斗は他の女で免疫つけて裸だって見たくせに?」
「ぅ……」

お互い大目にみましょうといいつつ結構チクリチクリと隼斗を責める私……だって……

「今日で千夏に塗り替える……それでいいだろ」
「…………」
「千夏?」

千夏が真面目な顔でオレの胸を指先で触れる。
そんな指先を千夏は目で追ってる。

「ちょっと……後悔……」
「は!?」

何だって?

「何だ後悔って?」

聞き捨てならん!!

「もっと早く……せめて高校の最後くらいにこんなふうになってたら……
隼斗が何人かは相手にしないですんだのかな……」

一体何人がこの隼斗の肌に触れたんだろう……
私が誰とも経験が無いからこんなにも気になるの?

「千夏……」
「私も経験があったら……こんなふうに思わないのかしら?」
「お前……」
「……ハッ!!」
「もしかしてヤキモチ妬いてる?」
「……ヤキモチって言うよりやっぱり怒り?」
「は?」
「やっぱ私も誰かと付き合っとけば良かったかも!!」
「は?」

千夏がそう言ってプイッと横を向いた。

「…………」

ああ……嫌だな……こんなの……私はちょっと自己嫌悪に陥った。
何だか私って心の狭い女だったんだ……
でも……やっぱり他の女が隼斗の身体に触れて抱かれたなんて考えるだけで鳩尾辺りがイライラと疼く。

「隼斗以外の男と付き合って経験しとけばこんな時にうろたえたりしなかっ……」

ふと唇に隼斗の指が触れて黙らされた。

「……そんなふうに言うな」
「だって……」

私の唇を押さえてた指を掴んでどかして隼人を睨む。

「ん?」
「だって……まさか……さ……」
「まさか?」

千夏がまたプイッと横を向く。

「千夏?」
「……今更……その頃の相手に……こんなに……嫉妬するなんて……思わなかったんだもん……」
「!!」

最後の方はボソボソと呟いてたけど……ハッキリ聞えたぞ!

豆電球の明かりだったから良くわからなかったがきっと千夏の顔は真っ赤だったに違いない!

いや!絶対そうだ!!

「千夏〜〜〜〜 ♪ ♪ 」
「きゃあああああああ!!!」

オレは千夏の名前を叫びながら仰向けでオレの下にいた千夏の胸を両手で鷲掴んで
円を描く様に捏ね繰り回した。

いきなりの事で千夏は驚いて大声を上げながらオレの手首を両手で掴む。

「ちょっ……ちょっとっ!!いきなり何すんのよっ!!」

豆電球の明かりに千夏の目がキラリと光った。

「なんだ千夏涙か出るほど感じたか?」
「ばっかじゃないのっ!!驚いたのよっ!!いきなり何すんのよっ!この変態っ!!」
「だってさ〜〜千夏が嬉しい事言ってくれっからさ〜〜 ♪ ♪ 」

言いながらフニフニと千夏の胸を更に揉む。
揉みながら指を使って胸の先をコネコネと刺激するのも忘れない。

「やっ……ちょっ……やめて……やん!!」

千夏はオレの手首を掴んだままだけどオレの動きを止めることなんて出来ない程の握力だ。

「千夏……」
「あ……」

胸を揉む手を止めずに身体を屈めて千夏の耳元に口を近付けて囁く。

「今までの事はもう気にするな……だってよ……これから先の何十年って言うオレの時間は
全部千夏のもんなんだぞ……オレの心も身体も……オレの全ては千夏のものなんだからな……
千夏が欲しいだけオレをくれてやるからもう何も悩むな」

「隼斗……」
「千夏」

ちゅっ ♪ と千夏の唇に触れるだけのキスをして胸から離した両腕を千夏の背中に廻してギュッと抱きしめる。

はあ〜〜〜〜抱き心地最高〜〜〜〜 ♪

「ヨボヨボのじーさんになってもちゃんと千夏の相手してやるから……」
「……そんな年までするつもりなの?どんだけ性欲あんのよ……」
「仕方ないだろ……相手がお前なんだから」
「私はそんな年まで無理ですから!身体もたない……」
「それは大丈夫!これから先じっくり慣らしてやっから ♪ 」
「……変態……」
「あのな……オレはお前と死ぬまで添い遂げるって言ってんだぞ?わかんね?」
「……あり……がとう……」
「わかりゃいい ♪ ……千夏……」
「あ……」

顔を摺り寄せるように首から頬に隼斗の唇が触れる……
その感触が柔らかくて……あったかくて……気持ちいい……

「ちゅっ……ちゅっ……千夏……」

そのまま鎖骨から鳩尾に唇が触れるか触れないかの距離で降りてきて
所々で止まっては唇を押し付けて吸われる……

「3つ追加……まだまだだ…」
「隼斗……」

こんなにも……隼斗のことを想ってたなんて……自分でもびっくりで……

だからもっと隼斗に触れたくて……傍に来てほしくて……
両腕を隼斗の首に絡ませて引き寄せたら隼斗は優しく笑って私を抱きしめてくれた……

そして……待ちかねたように……

隼斗の手が私の身体の上を動き出した……





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