Love You !



04




「はあ〜」

身体にお湯を掛けながら自己嫌悪…

自分の記憶ではお酒を飲みにお店に入ったのは覚えてる…
カウンターに座って飲み始めて…あの人が声を掛けて来てくれたのも朧げに覚えてる…
何だか嬉しい事を言ってくれて…私も嬉しくなって…

駄目だ…その辺りまでしか記憶が無い……

でも…私本当に最後まで?
なんて言っても…しましたと言う証拠が身体のアチコチにある。
胸と脇腹に付いてるのは…

「これがキスマーク?」

初めて見ちゃった…なんて感心してていいんだろうか…

「そろそろなる頃だと思って…持ってて良かった…」

こう言う出血ってどのくらい続くんだろう…なんてそんな事考えて…

「……はあ〜〜〜」

もう何度目の溜息だろう…
あんなに今まで頑なに守って来たのに…この人にって思える人にって思ってたのに…

「うっ…グズッ……」


酔った勢いでどこの誰ともわからない相手と…しかも全く何にも覚えてないなんてーー!!

自分の愚かさに呆れる…



「お…」

しばらくしてベッドのある部屋に戻るとまだ彼がいた…
シャワー浴びてる間に帰ったかと思ったのに…

ベッドは掛け布団がちゃんと綺麗に直されて何事も無かった様…
何だかこの人が何も無かった事にしたいとの心の現れかとも思えた…

そんなベッドに彼が腰掛けて私を見上げる。

ちゃんと服を着て…


「大丈夫か?」
「え?あ…」

身体の事を言ってるんだと思って…

「はい…」
「あーワリイ…酔った勢いでこんな事になっちまって…」

両手を自分の膝の上に置いて俯き加減でそう言ってくれた…
本当にすまないと思ってるんだな…って何となくわかった…だから…

「いえ…いいんです…私にも落ち度はありますから…
今あなたが私を置いて帰らなかっただけでも…十分ですから…」

朧げな記憶でもこの人に嫌な事はされてなかった気もするし…
確か楽しく飲んでた気がするから…

それにどこの誰ともわからないんだから私がシャワー浴びてる間に
あのまま逃げちゃう人だっているだろうし…

「はあ?何で俺があんたを置いて帰らなきゃいけねーんだ?」

「え?」

「俺は逃げも隠れもしねぇ。今回の事もちゃんと責任はとる。」
「はあ…」

言いながら腕を組んで…上から目線?でも何だろう?何だか俺様とはちょっと違う雰囲気が…

「あんたが嫌じゃなければ俺と付き合ってくれ。」

「……え?!」

「あんたの初めて奪っといて酔ってたからなんて…俺の気持ちがおさまらねぇ。」

酔ってグチってたもんな…身体許さねぇからフラれたって…

「………」

酔った勢いだからお互い無かった事にしようって言われると思ってたから…
そんな彼の言葉にちょっと驚いた…

「あんたがどうしても嫌だっつーなら仕方ねーが…」
「あの…そんなに責任感じなくても…いいですよ…」

「なんでだ?」

「え?」

即答でそんな事聞かれて…ちょっとビックリ…

「何で責任感じちゃいけねーんだ?もしこれで子供が出来たとしたらあんたどうすんだ?」
「それは…」

でも…今回は出来ないってわかってるし…

「まあ付き合う気がなくても子供が出来たら俺が育てる。」

「は?」
「あん?」

「何で…そこまで決意しちゃうんですか?こんな短い時間で…」

「どう見ても父親は俺だろう。」

「そうですけど……」

何だか…言ってる事は正しくて責任感はあるんだろうけど…
どうしてそこまで思い込んでしまうのかしら…?

「どうする?」

何?今すぐ答えなきゃダメなの??
って…何だか鋭い眼差しでみつめられちゃったんですけど…

やだ…そんな瞳で見つめられると……心臓がドキーンって……だから…

「え?あ……あ……お付き合いさせて頂きます。宜しくお願します。」

って…やだ…頭まで下げちゃった…

「おう。宜しくな!」

そう言ってちょっとだけ彼が笑った……


でも…何だか…自分的に…


こんな始まり方ってありなのーーーー!?





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