Love You !



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ドサリと身体がどこかに倒された。

この柔らかさは…ベッドの上?私自分の部屋に帰って来たの?

でも火照った身体には調度いいくらいのシーツの冷たさで……

あ…なんでだろう?身体から洋服が無くなっていく…

私何にもしてないのに…誰かが脱がしてくれてるの?
お母さんかな?珍しく様子を見に来たの…?

あれ…何だか視界がおかしい…
頭の中がぼーっとなっててうっすらと明けた目の前に誰かいた。

でもそれはボヤボヤにボヤケてて…
何となく遠くからテレビを見てるみたいな…ちょっと変な感覚…私テレビ見てるの?

『抱くぞ』

テレビの向こうのボヤケた誰かがそんな事を言った…
誰に言ってるの?ドラマ?ドラマのセリフ?

まあ良いんじゃない…お芝居なら…だからコクンと頷いた。




「…うっ…ん…」

やん……なに?これって…キスなの?
すごい…息が出来ないくらいずっと誰かの舌が私の舌と絡み合ってる…

こんなキス…したことないよ……
でも…おかしいな…さっきのってテレビの中の事じゃないの??
なのになんで私キスされてるんだろう?

「…ふぅ…ん…」

だめ…本当に苦しい…ちょっと…息…させて…

思わず相手に腕を廻したら…本当にそこに誰かいた…
だって…廻した腕がしっかりと相手の身体に巻きついて…

引き寄せたら…更に激しくキスされたから…


「ハッ…ハッ…ハッ……ンン…」

あ…あれ?なに?身体が変…

暖かくて柔らかいものが私の身体を優しく滑って行ったら…
息が弾んで…余計身体が火照って……

身体の中が何だかむず痒い……どこって言うか…もう身体全部…


「ンッ…」

身体がピクン!と跳ねた。

なに??胸…胸がすごく感じちゃうんだけど……やだ…私なにされて……
胸の先を吸われて舐められて……も…胸から背中までジンジン痺れちゃう…

「ひゃん!」

やっ……身体の中に…何か入って来……

「あっ!あっ!あん!!」

初めて感じる感覚にボヤケタ頭でも身体が反応してる…

それに…え?これって自分の声…なの?
どうしてこんな声……で…でも…勝手に出ちゃ……

「ンア…ンン!!あっあっ!!」

自分の身体じゃないみたい…
足に変な力が入ってベッドに食い込むほど力を込めて押し付けた。

やだ…身体の中から何かが込み上げてきて…弾けちゃいそうなの!!

『1回イッとくか…』

耳元にそんな声が囁かれたけど…あっという間に耳の中から消えていった…

「あっ!あっあっ!!……あああ!!!」

両手で思い切り何かを掴んで大きくのけ反る……
その後は自分で自分の身体を支えられなくて…

ドサッとベッドの上に崩れ落ちて掴んでた両手が何かを撫でる様に滑り落ちていった…



まるで何か長距離を走った後みたいに息が上がってた…

疲れて…酔いが程よい睡魔を連れて来て…

寝れるよ…このまま寝れちゃう…こんな気持ちで寝れるなんて何だか久しぶり…

『 寝るなよ 』

え?ダメなの…寝ちゃダメなの?だってこんなに気持ち良いのに…
でも寝るなって言われたから無意識に頷いちゃった…本当誰?

『入れるぞ』

ってどこに何を?なんて考えてたら一瞬自分の身体に何か押し付けられた…

やだ…そんな所…恥ずかしいじゃな…い…

なんて思った瞬間物凄い圧迫感と痛みが私の身体を駆け上がって来た!

「うっ!!!あっ!!」

勝手に身体が反り返る!ちょっとこれって…
そんな事考える余裕も無く身体が押し上げられて持っていかれる。

これって……わ…私…誰かと…してるってこと?

鈍感な私でも流石にわかる…でも…相手は?謙吾さん?違う…そんなはず…
だって今日確か謙吾さんにフラれて……じゃあ一体誰?

そんな時に優しく触れるだけのキスをされた。
優しくキスされて…ちょっと安心して…だから…もう訳がわからなくなっちゃって…

私の目の前にいるであろう誰かに思いきりしがみついた。
だって…こんなの初めてだったし…でも…不思議と怖くは無かった…

酔ってるせいでお酒がそんな気持ちを隠しちゃったのか…気持ちが大きくなっちゃったからか…
ただ単に…今までの自分が嫌になったからヤケクソになっちゃったからか…

とにかくこれほど酔ってなかったらこんな事にはならなかったかも…

そんな事を後から思った…



『…まだだぞ…まだ寝るな…』

「……え…も…無…」

薄っすらと目を明けて目の前の誰かを見上げる…
もう…本当に無理なの…無理やり広げられて押さえつけられた腿の付け根は痛いし…
身体は言うこと利かないし…それに頭が更にボーっとしてきて…眠さもピークなの…

『無理じゃねぇ…俺はまだ満足してねぇ…』

満足?って…一体何が満足なの?

腿を掴まれて身体が引き寄せられる……
でも…抵抗も何も出来ないよ…だって身体が言う事利かないんだもん…

「あ……」

腰を掴まれてまたゆっくりと身体の中に彼が入って来たのがわかった…
痛さは大分無くなって…でもキツくて…

何度か軽く押し上げられて私の身体の一番奥まで届いたみたい…
やだ…そんな事だけで…また身体が疼く…

疼く??なんで?

『オイ…』
「…ん……?」

呼ばれたから…返事をした…でも何で呼ばれたのかな?
眠さは今までの事で少しは覚めた…

『チユッ…』

またキスされた…でも…ちょっと遠慮がちなキスみたい…
だけどなんだか嬉しい…

なんとなく大事に扱ってもらってる気がするから…
久しぶりに優しくされてる気がする……

酔ってると何もかも自分の良い様に思えるもんなのかな…
だって……やってる事は酔った勢いでってことだもん……

酔った勢い?ああ…そっか…私酔っ払って夢でも見てるのかも…

そうよ…じゃなきゃこんな事あるわけがないもん…妙にところどころリアルだけど…
ならいいか…ちょっとは大胆になっても…

これで…少しでも謙吾さんの事忘れられるなら……


「アン……」

片脚を高く抱え上げられて…今自分が一体どんな格好なのかわからなくて…
ただこんな格好で出来るのかな?なんて初めてだからわからない事だらけで…

そんな事を思ってたら自分の身体が大きく揺り動かされた。

こんなに揺れる乗り物に乗った事あったかな…なんて変なこと考えて…
そんな間も彼の動きはどんどん激しさを増す……

今度は完璧に…頭が真っ白になるまでそれが終わることはなく…
真っ白になった私は何度もそこから引き戻されて…

目が覚めたら見知らぬ天井が見えたの……





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