Love You !



33




やっと黒柳が帰って2人っきりになれた。
なのに智鶴の奴は夕飯の後片付けでキッチンから戻って来ねぇ…

俺が待ちきれなかった。


「あ…」

流しに立つ智鶴を後ろから抱きしめる。

「だ…ダメです…レンジさん!まだ途中……んっ…」

後から智鶴の顔を上に向かせて強引にキスをして舌を絡める。

「ふ…ぅ…んん……ちゅっ……」

ダメだ…止まんねぇ…

「はっ…あっ…本当ダメです!レンジさん…まだ手に泡ついてるし…」

何とか俺から逃げた智鶴が俺を見上げてそんな事を訴える。

「俺と食器どっちが大事だ。」

「え?」

「10日ぶりだぞ!10日!!智鶴わかってるか?」
「は…はい…ちゃんと毎日指折り数えてましたから。」
「ならわかんだろ?そんな洗い物なんか後にしろ。」
「でも……」
「智鶴…」
「あの……」
「焦らすな…」
「べ…別に…焦らしてるわけじゃ……」
「手洗え。」
「はい…」

レンジさんに言われるまま泡の付いてる自分の手を洗う。

「あっ…」

濡れた手も拭き終わらないままレンジさん抱き上げられて寝室に連れて行かれた。
ベッドに下ろされてレンジさんもベッドに乗って来る…
私の顔の横に両肘を着いて…身体の上にはもうレンジさんが覆い被さってた。

「智鶴…」
「レンジさん……ンッ…んん……」

最初は啄ばむ様なキスを何度もしてくれた…
でもだんだんそんなキスも激しくなって噛み付く様なキスをされる…
舌の絡め方も強引になってきて息が詰まる…

でも…そんなキスが嬉しい……

「会いたかったぞ…智鶴…」
「私も会いたかったです。レンジさん…お帰りなさい…」

ちゅっ!

お互いがちょっと近寄って触れるだけのキス…ちょっとくすぐったい…

「何も無かったか?」
「はい…大…丈夫…でした……あの……」
「ん?」
「キ…キッチン……大丈夫…でした?……あっ…」
「ああ…智鶴の好きにすればいい…俺はそれで満足だ……ちゅっ…」
「あっ…やんっ!!」

そんな会話をしながらも俺は智鶴の首筋に顔をうずめてキスと舌を這わす…
耳朶を甘噛みして…耳を舌の先でなぞると智鶴は小さく震えながら俺にしがみ付く…

「智鶴……」
「ンア……は…い…」

「さっきなんであんな顔した?」

「はぁ……え…?」
「最初に黒柳に会った後…俺を見上げて何か訴えてただろ?」
「…………そ…そうですか?」

そんな返事をして智鶴が俺から視線を逸らす…おかしい……

「何だ?俺に言えないのか?」
「そ…そんな事無いです……けど…」
「けど?」

そんな会話をしながら俺の手は智鶴の服の裾から入って脱がしに掛かってる。

「本当に何でも無いです!」
「ほう…まさか俺が女を連れ込んだとか思ったか?」
「ち…違います!私はただ…」
「ただ?」
「あ…ズルイです!レンジさん!誘導尋問です!!」

智鶴が自分の口を押さえて反論する。
その涙目の顔がまぁまた何とも可愛いじゃねーか…

「言えよ…智鶴…怒らないで聞いてやる。」
「ほ…本当ですか?」
「俺が智鶴の事怒った事あるか?」
「あ…ありません…レンジさんはいつも優しいです…」
「だろ?なら言えるよな?」
「本当に…怒りません?呆れません?」
「ああ…」

ってそんな大それた事考えてたのか智鶴?

「あの……も…もしかして…あ…新しい恋人なのかと…」

「ああ?どう言う意味だ?」
「だ…だから…その…10日間会えなかったから…その…
他に好きな人が…出来て…2人で私に別れ話するのかと…」

「……………」

どうしてそんな発想になる?

「レンジ…さん?」

智鶴が伺う様に俺を見上げる。

「と言う事は智鶴…」
「はい…」

「俺がたった10日で他の女を好きなると思ったって事か?ん?」

レンジさんがニッコリと笑ってそんな事を言うけど…あの…怪しい笑顔……

「あ…そ…そんな深く思ったわけじゃ…無いです…よ…」
「そうか?」

ウソだろ…あんな真剣な顔で俺の事見つめてたぞ。

「お…怒ってます?」
「いいや…」
「呆れて…ます?」
「少し…な。」
「ええーーー!!そんな…どうしよう!!」
「そんなに俺の事が信用できないか?智鶴…」
「ち…違います!レンジさんを信用出来ないんじゃなくて…自分が…信じられないから…」
「!」
「私…いつレンジさんに嫌われても…仕方ないから…」
「智鶴…」
「ごめんなさい…でも…そう思っちゃうんです…私…まだ自信がなくて…ごめんなさい…」

智鶴の目に薄っすらと涙が滲んでる…
まったく…どんだけ俺の胸に不意打ちで拳叩き込んでくんだか…
ホントわかってねーよな…智鶴は…

「智鶴が自分のどんな所に自信が無いのかわからねぇが…」

「…………」

「俺はその智鶴が自信がねー所も全部ひっくるめて智鶴が好きだ。だから何も心配すんじゃねえ。」

「私の…どこが…良いんですか?」
「全部だ…ちゅっ…」

智鶴の涙で濡れた頬にキスをした。
剥ぐ様に智鶴の身に付けてるものを脱がしていく…

「全部って?」
「数えたらキリがねーが顔も性格も考え方も…智鶴の持ってるもの…全部だ…ちゅっ…」
「本当……です…か?んっ……」

露わになった胸の膨らみに押し付ける様にキスをすると智鶴がピクンと跳ねる…

「本当だ…」
「信じて…いい?」
「ずっと前から言ってんだろ…俺を信じろ…智鶴…」
「はい……」

智鶴の身体に何度も何度もキスをする…
唇で確かめて…舌で確かめて…手の平で確かめる……

「あっ…あん……レンジさん……」

俺に伸ばした智鶴の手の指をしっかりと俺の指と絡めてベッドに戻す…

「智鶴……」

「はい……」

「今夜は泊まってけ…」

「はい……」



久しぶりの智鶴の肌の温もりと身体の感触を感じながら…


これから長い長い…俺達の時間が過ぎていく……





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