Love You !



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「私…とは……違う…世界の人なんだな……って……」

智鶴が泣きながらそんな事を呟いた……


「智鶴……俺の仕事…嫌か?」
「ぐずっ……え…?」
「嫌か?」
「そんな……嫌なんかじゃ……無いです…」
「本当か?」
「はい……今やってるドラマだって…銀縁メガネ似合ってて…別人みたいですもん…」
「………」
「レンジさん?」

今度はレンジさんが黙っちゃった…
やっぱり呆れちゃったんだ……こんな変な事気にするから…
嫌に…なっちゃったんだ……言っても仕方の無い事言って…レンジさん困らせるから……

「智鶴…」
「は…い……」

ああ…何て言われるんだろう……

2人共さっきから同じ体勢で動いてない…レンジさんの腕の力も同じまま…


「俺は…この仕事…役者を辞める事は出来ねぇ…」
「……レンジさん?」
「またどんなキッカケでこんな事が起きないともかぎらねぇが…智鶴…」
「はい…」

「そんな時は俺が智鶴の事も…気持ちも…全部受けとめてやる…」

「 !! 」

クルンと肩を廻されてレンジさんと向かい合った。

「だから俺の仕事と俺の働いてる場所を理解してくれねーか?」

「………レンジさん……」

とっても…困ってて…辛そうなレンジさんの顔……
こんなレンジさんの顔…初めて見た……

でも…それって…私がそんな顔にさせてるの?

「あ……ご…ごめんなさい…」
「智鶴?」
「ごめんなさい…レンジさん…わた…私……」

急に智鶴が謝り出してまたポロポロと涙を流す。

「ごめんなさい…私…レンジさんを困らせるつもりなんて……うっ…」

「智鶴…」

「ごめんなさい……くずっ…」
「智鶴が謝ることなんてねぇだろ…俺の方が智鶴に謝んなきゃな…
嫌な思いさせて悪かった…」
「………」

泣いてる智鶴を抱き寄せてそっと抱きしめる…

智鶴はそんな俺の胸に顔をうずめて両腕で俺の身体を力一杯抱きしめながら
フルフルと頭を振った。

「智鶴……」

俺はそんな智鶴の頭を手の平で撫でる…

「前も言ったよな智鶴……何があっても俺の傍を離れんなよって…」

「…………」

今度は顔をうずめたままコクコクと頷く。

「………智鶴……好きだ…」

「 !! 」

智鶴の抱きしめてる身体がピクリと動いた。

「俺はお前だけが好きでお前だけに惚れてる…わかったか。」

「………ふぁい……」

「何だ?その返事は…」

智鶴が俺の胸に顔をくっ付けたままでそんな返事が返って来た。

「だって……ひっく…急にそんな嬉しい事……言うから……心の…準…備が…」

「顔見せろ…智鶴…」
「やっ…ダ…ダメですっっ!!こんな…ぐちゃぐちゃな顔…は…恥ずかしいです!」
「いいから…見せろ。」
「やっ…本当にダメです!!」

肩を掴んで抱き起こしても智鶴は俺の胸に顔を押し付けて
俺の身体に廻した腕を緩め様としない…なんだ…頑張るな。

「これ以上俺のシャツを涙で濡らすんじゃねぇ。」

「 !! 」

ワザとそんな事を言ったら智鶴がビクッとなってうずめてた顔をガバッと起こした。

「ひゃあ!ご…ごめんなさ…私…やだ…こんなに濡れちゃってる!!!」

「やっと顔見せたか。」
「!!」

不意をついて智鶴の顔を両手で挟んで上を向かせた。

「きゃああああ!!ズ…ズルイです!!レンジさん!見ないで!!」
「なんで?」
「だって…は…恥ずかしいです…目もハナもきっと真っ赤で…ハナ水だって…」

最後の方はゴニョゴニョと…

「俺の好きな顔だから心配すんな智鶴。ちゅっ!」

軽く触れるだけのキスを智鶴の唇にした。

「ひゃん!!や…汚いですから…今顔拭きますから!!レンジさん!!」
「いい加減観念しろ。」
「うっ……ううっ……」

強引に上を向かされて口を塞がれる…
あっという間にレンジさんの舌が私の口の中で動き出して私の舌を絡めていく…

「んっ……んん!!!……ん……ン……ぁ…」

「智鶴…今智鶴が欲しい…いいか?」

いいかなんて…
耳元でそんな事囁かれたら嫌だなんて言える訳無いじゃないですか……
だから私はコクンと頷いた。
そしたらそのまま抱き上げられて……私のベッドに連れて行かれて…

初めて私の部屋で…レンジさんに抱かれた……



私のベッドがギシギシとずっと軋み続けてる……
流石安物のベッドだな…なんて変な事考えちゃった…
レンジさんに会うまでアレコレ考えてのがウソみたい…
今は必死になってレンジさんにしがみ付いてる自分がいる…

レンジさんはいつもと変わらずに私を攻める…
そう言えばレンジさんって何があっても変わらないな…なんて思う…
私とは大違い……

「ふ…ぅぅ……ンッンッンンッッ!!!!はぁ!!あ…レ…レンジさん…まっ…待って…」

「ああ?」

私の片足がレンジさんの肩に引き上げられそうになって…
思わずレンジさんに声を掛けた。

「はぁ…はぁ…ダ…ダメです…そんなに激しいこと…しないで……」
「何でだ?」
「だって……ここはレンジさんのお部屋と違って大きな声出したら
周りの部屋の人に聞えちゃうかもしれないから…」
「だから?」
「だから…恥ずかしいから………もう少し…加減して下さい……」
「………仕方ねぇな…」
「え?」

そう言ってレンジさんがベッドの下の床から私の脱いだブラウスを持って来た。

「なんですか?」

私は意味がわからなくて…

「これ咥えて声我慢しろ…」
「え?ええ!?これを…ですか?」
「手で口を塞がれながらなんて嫌だろ?」
「はあ……」

どっちが嫌かなんて私にはわからなくて…曖昧な返事をした。

「あの…」
「ん?」
「加減して欲しいって言う私のお願い…は…?」
「聞かなかった事にする。」
「ええ!!??」
「今夜は言う事聞いてくれ…智鶴。」
「いつも…言う事聞いてますよ……」
「そうだな……」
「本当にこれでよそに声聞えないんですか?」
「ああ…」
多分な。
「なら……仕方ないです…でも加減もして下さいね!」
「わかった。」

何だか良くわからないけど…生まれて初めてこんな事しちゃった…
腕の部分をちょっと丸めてハムリ!と咥えた。

本当にこれで大丈夫なのかしら?なんて悩んでたら…

ギシリ!!!と今までで一番の軋む音がしていきなりレンジさんが
私の身体の一番深い所を攻めた。

「んっ!!!んんんーーーーー!!!ふぅ…うっううーーー!!!!」

ビクン!!と大きく身体が跳ねて…
そんな身体をレンジさんが上から体重を掛けてさらに身体の奥を攻めるから
もう私の頭と身体はあっという間に限界になっちゃう!!
声だってシャツを咥えてれば周りに聞えないって言うから何も気にしないで
思いっきり出しちゃってたけど…

何度も押し上げられながら途中で薄っすらと目を明けたら…
あのいつもの…いつもと違う笑顔で笑ってましたよね?

私はその後身体と意識を持って行かれて訳がわからなくなっちゃいましたけど…

本当に大丈夫なんですか?レンジさん?





そんな恥ずかしい思いをした数日後…
また私はレンジさんが芸能界で働いてるって言う事を思い知らされる事になった。

その日はレンジさんは早朝からロケで郊外へ…
マネージャーの黒柳さんは事務所の仕事でやっぱり遠くに出向いていた…

私は何も知らずに会社に出勤して……

まさか午後のワイドショーであんな事になんてるなんて…思いもしなかった!


『明日発売のこの週刊誌なんですが…なんと先日話題になりました俳優の鏡レンジさんに
お付き合いしてる方がいらっしゃると言う事なんですね!一般のOLの方らしいんですが…
あの仲村さんの事はどう思ってらっしゃるんでしょうか?』


その週刊誌には…レンジさんが私の家の玄関から帰る所で…

私もしっかりと写ってて……

レンジさんが帰り際…私の頬に手を触れてる写真もあったのーーー!!



もう!どうしよう!!レンジさん!!!





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