Love You !



56




昔…惇の野郎に 『何処までお前はメガネちゃんが必要なんだ』 と…言った事がある…

『由貴がさぁ…』 に始まって惇の口から出て来る言葉全部が
嫁さんとのノロケと自分がどれだけ嫁さんの事が好きなのか…

とにかく締まりの無い顔で嬉しそうに話してた。

『何処まで?そんなの何処まででもだよ…毎日でも傍にいて欲しい…』

俺の問い掛けにそんな風に答えてた惇…

そんな惇の奴を見ながら半ば呆れるのとそんなに好きになれる相手が出来るのかと
俺は信じられなかった。

付き合った相手に確かに好意は抱いてた。
じゃなきゃ付き合おうとは思わねぇし…でも惇の奴が思うほど相手にそんな想いを
感じる事なんて無かった…

でも今なら惇の言ってた事がわかる…



「あ…も…ダメです…起きないと…朝ご飯…作る時間が…アン…ん…」

「朝は簡単でいい……チュッ…」

「でも……あ…」


智鶴が俺の所で一緒に暮らす様になって3日…

俺がいつ帰って来ても…いつ目が覚めても…

俺の目の前に智鶴がいる…

それが…それだけで…こんなに自分が癒されて…満たされるなんてな…


「も…毎朝…これじゃ…あっ…」

押し付ける様に智鶴の首筋に唇を這わせてそこから徐々に唇を下ろしていく…

鎖骨まで下りたら今度は反対側の耳朶からまた首筋を通って下に下におりて鎖骨できつく唇を押し当ててキュッと吸う…

「…っん…」

俺の印がまた1つ…智鶴の身体に増える…

「もう…本当に…お終いにして下さい……時間が…」
「何だ…智鶴は俺とこうするの嫌なのか?」
「そ…そうじゃありませんけど…毎朝こんな……支度が出来ません…」

俺の肩の服をぎゅっと握り締めながら何気に俺の肩を押し返す。
なんだ…そんなに嫌か?

「そんな事ねぇだろう?ちゃんと支度出来る様に時間と体力残してやってるじゃねーか。」
「そ…そう言う問題じゃ…」
「そう言う事だろ?」
「ひゃっ…あっあっ!あんっ!」

殆んど脱がせて肌蹴たパジャマの下に見えてる智鶴の胸に唇を押し付けて舐め始めた。
智鶴が抵抗出来ない様に智鶴の身体に片腕を廻してしっかり抱きしめる。
同時にもう一方の片手で胸をヤンワリと掴んで揉んで…押し付けてた唇を舌の先で舐めながら
胸の先に移動すると智鶴の身体が俺の腕の中で跳ね上がった。

「も……本当に……ダメ……やぁ…」
「智鶴のダメは大丈夫だろ?わかってる。」
「ち…ちがくて…これは本当に……レンジさん!!」
「わかったわかった…最後まではしねえ…」
「ほ…本当ですか?」
「本当だ……多分…」
「多分って……あっ!!あうっ!!」

そんな事を言いながら素早い動きで智鶴のパジャマのズボンを片足だけ一気に脱がすと
片手で智鶴の片足を持ち上げて一応優しく押し上げた。

「あ…レンジさんの…ウソ…つき…あっ!あっ!んっ!」

「悪りぃな…智鶴…でも智鶴も悪いんだぞ…」
「……?」
「俺をずっと焦らすからだ…」

一緒に暮らすのをどんだけ待ったと思ってる…

「だから…それは……あっ!あっ!ンア!!」
「智鶴…」

智鶴を俺の腕の中に抱きしめてつかまえたまま押し上げる速度を早めていく…

「…アン!あっあっ…ああっ!!やっ!!うぅ…」

智鶴の腕が俺の身体に廻されて力がこもる。
そんな智鶴の口を塞いで舌を絡ませて…吸って…また絡ませて…

やべぇな……止まらねぇ…

「智鶴…」
「ハッ…ハッ…ア…ン…レンジ…さん……」
「今月でドラマの撮影が終る…そしたらお互いの親に会いに行くからな。」
「……え?…」

智鶴がボウっとした顔と淡いピンク色の頬と潤んだ瞳で返事をした…
その顔がまたそそる…

「やっ…」

智鶴の身体を抱きしめたまま反転して位置を入れ代わる。

「んっ!あっ…」

俺の上にいる智鶴の腰に両腕を絡ませて俺の方に引き寄せた。

智鶴の身体の奥の奥でお互いが深く繋がる。

智鶴が俺の胸に両手を着いて浅い息を繰り返してる…

「もう…本当に…ウソつきです……」
「次からウソは言わねえ…」
「本当…ですか?」
「多分…」
「もう…!!あっ…!」

智鶴の身体が俺の上で大きく揺れた…



「はぁ…はぁ…ぁ……はぁ…ん…」

レンジさんの胸の上で浅い息を繰り返しながらうつ伏せで動けない…

「ちゅっ…」
「んっ…」

そんな私の額にレンジさんがキスをする…
それですら今の私には敏感に反応しちゃう…

「…はぁ…はぁ……」

朝から…こんな感じちゃって…何だか恥ずかしい……ん?

なんとなく…気が付いたけど……さっきからレンジさんの両手がレンジさんの身体の上で
うつ伏せに乗ってる私のお尻を…両手で片方ずつ…ムニムニと……揉んでる???
ううん…揉んでるって言うか……撫でてるって言うか…確かめてるって言うか……

え…?………私のお尻のお肉を確かめてるの??…そんなにお肉付いてる???それとも大きい?とか?

そう言えば…何となくいつもレンジさんにお尻を触られてる様な気がする…
寝てる時も抱き寄せられながら片手はお尻を触ってるし…

きっと… 『お肉一杯ついてんな…』 って…思ってるんだ〜〜〜!!!



「今日は帰るの遅くなるから先に寝てろ…」

早朝のベッドであんな事があった後…
私の会社の近くでまで送ってくれたレンジさんの車の中…
私の身体を気遣っていつも時間が間に合う時はこうやって送ってくれる。
それがわかってて朝からあんな事するのかな…なんて思う。

「遅いって…そんなにですか?」
「ああ…多分夜中になる…もう撮影も追い込みだからな。」
「わかりました。お仕事頑張って下さい。」
「ああ…智鶴の方こそ気を付けろよ。無理して起きてなくていいからな。」
「はい…あ…」

レンジさんの手の平が私の頬をそっと撫でる……
そのまま親指が私の唇をなぞる…

「キスしてぇけど流石に人目があるから我慢してやる。別に俺はかまわねぇんだけどな。」
「そ…そうですよ。会社の人に見られたら…それに通勤の人にも見られちゃいます。」

直ぐ横の歩道を通勤の人達が足早に歩いてる。

「だから我慢するって言ってんだろ。」
「はい…じゃあ行って来ます。」
「ああ…仕事頑張れよ。」
「レンジさんも…帰り…遅いですから気をつけて下さいね。」
「ああ…じゃあな。」

お互い手を振って別れた…

何だかこんな風に送ってもらえるなんて…
一緒に住んでるから出来る事なのよね……



「はぁ〜〜〜もうちょっとかな〜 ♪ 」

編みかけのセーターの前身ごろを目の前に掲げて眺めてた。
レンジさんに内緒で編み続けてたセーターは結局レンジさんにバレちゃったから…
今は堂々と編んでるけど…未だになんとなくレンジさんのいない時に編んでるのよね…
だって…やっぱりちょっとは内緒にしておきたい…

1人でレンジさんを待ってるのは変わらないけど…
どんなに遅くても会えないって言う日は無くなった…
一緒に住むって事は会えない不安が無くなるってことなんだ…

どんなに遅くても朝にはレンジさんは隣で眠ってるから…
それって…今までからしてみるとウソみたいな事なんだって思える。

そう言えば…ドラマの撮影が終わったらお互いの親の所に行こうって言ってたな…

「あ…」

言われた時の事を思い出すと恥ずかしさが込み上げるけど…

「もう…なにもあんな時に言わなくたっていいのに…」

さっきもお風呂に入って自分の身体中についたキスマークを見て恥ずかしいって思うけど…
やっぱり嬉しい気持ちが大きい…

「…………やっぱりお尻…お肉あるかな…」

自分でムニムニと触ってみる…
一応腿とお尻の区別は出来るみたいだけど…もう少しで境界線が無くなるかな?

「何かヒップアップの運動…してみようかな…」

今までそんな事思ったことも無かったから…

「ご飯も控えた方がいいかな…」

ご両親に会いにも行くし…今のウチにちょっとスリムなっておくのいいかも…
なんて思ってた。


朝レンジさんが言った通り12時過ぎてもレンジさんは帰って来なかった…
明日の朝の支度をしてベッドに入る…
ダブルサイズのベッドは1人じゃ広いけど朝にはきっと私の隣にレンジさんがいるはずだから…

「おやすみなさい…レンジさん…」

そう呟いて目を閉じた。



「………ん?」

どのくらい時間が経ったのか…マットが揺れて自分の身体に腕が廻されて引き寄せられた。

「レンジさん?」
「悪りぃ…起こしたか?」
「……大丈夫です……お帰りなさい…レンジさん。」

寝起きの目を擦りながらレンジさんの方を振り返る。

「今何時ですか?」
「もうすぐ3時になる…」
「え?そんな時間なんですか?」
「ああ…でも8時にはまた行かないと…」
「え?そんなに忙しいんですか?」
「最後の方はいつもそんなもんだ。」
「そうなんですか…役者さんってハードなお仕事なんですね…」
「そうだな……はぁ……」

そう言うとレンジさんが私の項に顔をうずめて溜息をついた…

「レンジさん…疲れてますよね…」
「まあ疲れてっけど…智鶴で癒される……」

そう言ってぎゅう〜っと私の身体を後から抱きしめた。

「本当に?」
「ああ……ちゅっ……ちゅっ…ちゅっ…」
「ん…」

レンジさんが後から私の顔に触れるだけのキスを繰り返す。
それがくすぐったいけど……嬉しい……ん?

スルスルとレンジさんの手がパジャマの上から脇の下を通って腰からお尻に辿り着いた。
スッポリと丁度いい感じでレンジさんの片手に納まってる私のお尻…

「…………」

優しく…でもムニムニとまたレンジさんの手で揉まれてる…

「あ…あの!」
「ん?」
「が…頑張って痩せますから。」
「ああ?」

智鶴が急に変な事を言い出した。

「それに運動してなるべく小さくなる様に頑張りますから…だから…」
「何の事言ってる?別に痩せなくても太ってねぇだろ?」
「そ…そうですか?」
「なんだ?」
「……いえ…別に……」
「何だよ…どうした?」
「……だって……」
「だって?」
「………から…」
「は?」

智鶴が恥ずかしそうにモソモソと呟いた。

「聞こえねぇ。」
「………だ…だから…」
「だから?」
「お…お尻…お肉一杯あって大きいから触っちゃだめです!」
「なっ!?」

いつの間にか智鶴の尻に伸びてた手がビクリとなって動きが止まる。

やべぇ…いつもは智鶴が寝てる時だけ触ってたのを気が緩んでたのか
自分でも知らないうちにしっかりと手が伸びてこれまたしっかりと揉んでた!!

「これから頑張ってお肉無くしますから…」
「……さっきから何言ってる?智鶴…」
「だって……お…お肉が一杯ついてるなぁ…って思って…いつも触るんじゃないんですか?」
「……そ…そんな事思ってねぇ…」

むしろ逆だ…逆!!

「じゃあなんでいつも私のお尻触るんですか?大きいと思ってるからじゃなくて?」
「……そ…それは…」

まさか智鶴の尻が気に入ってて触り心地がいいからなんて言えるか!

「大きいなんて思ってねぇ…」
「本当ですか?」
「ああ…だから痩せる必要なんてねぇからな。」
「…………」
「今だってもう少し食った方が良いと思ってんのに…これ以上痩せるのは俺が許さねぇ。」
「……はい…」
「このままでいい…智鶴はこのままで…」
「レンジさん……」

ちゅっ…っとレンジさんが私の頬にキスをしてくれた…

「このまま抱きたい所だが…流石に明日に響きそうだからな…我慢する…」
「その方がいいです…疲れて倒れちゃったら大変ですから…」
「智鶴…」
「はい?」
「俺に甘えてくれねぇか…」
「え?」
「な?」
「いいんですか?」
「ああ…」

身体の位置を入れ替えてレンジさんの方を向いた。
レンジさんが優しい眼差しで私を見てる…
私はレンジさんの首に両腕を伸ばして絡ませて…顔をうずめる…
自分の頬にレンジさんの肌の温度が伝わってくる…
私はレンジさんに頬擦りをするともう何とも言えないホンワカな気持ちになる…

「はぁ〜〜〜レンジさん……」

私はもう夢心地……
だってレンジさんの両腕に抱きしめられて…嬉しいんだもん…
レンジさんも抱きついた私に頬ずりをしてくれてるのがわかる……

レンジさんは今のままで良いって…言ってくれたから…

あれ?そう言えばレンジさんがなんでいつも私のお尻に触るのか聞きそびれた気が…

「……すぅ……」

でもすぐにレンジさんの寝息が聞こえて来たから…
だからもういいかな…なんて思っちゃった。

「おやすみなさい…レンジさん…ちゅっ ♪ 」


そっとレンジさんの頬にキスをして…私も安心して眠りについた。





Back    Next






  拍手お返事はblogにて…