Love You !



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「……る」
「……」
「……鶴?」
「……ん?」
「大丈夫か?智鶴……」
「は……ぁ…レンジ……さん?」

意識が飛んでたんだろうか?
ゆっくりと目をあけるとぼやける視界にとっても心配そうな顔のレンジさんがいた……

「わた……し?」
「悪りぃ……加減してやれなかった」
「ううん……大丈夫です……」

意識が飛んでたのは一瞬だったらしい……
だってレンジさんがまだ私の中にいるのがわかる……

「………」

何だかちょっと……恥ずかしい……

「智鶴……どうした?」
「いいえ……なんでも……」

『レンジにはハッキリ言わないとわからないよ』

頭の中に楠さんの言葉がよぎる……
どうしよう……今聞いてみようかしら……


「………」

つい諸々の感情で加減無しで智鶴を抱いちまって今更大丈夫だったかと不安が過ぎる。
ただでさえ今日は俺の事を本当はどう思ってるか何気に気になってるっつーのに……

「智鶴……」
「はい?」
「………」
「レンジさん?」

レンジさんがベッドに肘をついて両手で私の髪や頬を指先で優しく撫でたり触れたりしながら
とっても不安そうな顔をしてる……

そんなこと珍しい……どうしたんですか?

「智鶴……」
「はい……」
「俺は浮気はしねぇ……今回は飲み過ぎて失敗したがこれからはそんな失敗もしないと誓う」
「……はい」
「智鶴……」
「ンアっ!あっ…あっ!!」

レンジさんが私の顔を真っ直ぐ見つめたままゆっくりと動き出した。

さっき感じすぎた身体はまた激しい程にレンジさんに求められて…攻められて…
あっという間に意識を手放してしまいそうになる……

激しいけど愛おしくて…辛いけど嬉しくて……

レンジさん……


「智鶴…」
「あっあっあっ!!」

両腕でしっかりと抱きしめられてレンジさんの胸と私の胸がピッタリと重なり合う……
触れ合った場所がしっとりと濡れてもっともっと重なり合う……
私はレンジさんの首に両腕を絡ませてぎゅっと力を込めてしがみついてる……

シーツの擦れる音と……レンジさんの息遣いと……私の声がいつまでも寝室に聞こえてた……



「んあっ!!あああ!!」

もう動かないと思ってた身体がレンジさんの重さを感じながら大きくのけ反った……
そんな私の身体をレンジさんは受け止めてくれて……
最後はくったりと浅い息を繰り返す私に優しい触れるだけのキスをたくさんしてくれた……

だから……今なら言えるかな……

「……レンジさん……」
「ん?」

智鶴がまだ浅い息を繰り返しながら俺の名前を呼んだ……
瞳は潤んでしっとりと汗ばんでる額に前髪が掛かってる……
そんな前髪を指先で軽く撫でる。

「あの……」
「ん?」

智鶴が何か言いたそうに俺を見てる……まさかもっと……ってわけじゃねーよな?
期待に応える気はあるが……

「私のこと……好き……ですか?」
「智鶴?」
「好き……ですか?」
「!!」

そんな事を聞きながら智鶴の指先が微かに俺の胸に触れる。

「好きに決まってんだろ……」

だから俺は智鶴の頬を同じ様に優しく指先で触れて撫でた。

「じゃあ……私のこと……」
「?」

智鶴がちょっと言葉に出すことを躊躇った。
でも潤んだ瞳のまま俺を見つめると何か心に決めた様に口を開く。

「私のこと……愛してますか?」
「智鶴……」

さっきより瞳を潤ませて一層真っ赤になった智鶴……

「レンジさんは私のこと……ずっと好きでいてくれますか?愛してくれますか?」

俺の胸にあった智鶴の指先は今は俺の頬にのばされてまた微かに触れる……

「私……セリフなのにドラマの中でレンジさんが兎束(totuka)さんに 『好きだ』 『愛してる』 って言った時……
胸が凄く苦しくなりました」

「!!」
「キスシーンよりもそっちの方が気になりました……」
「智鶴……」
「だって……」
「ん?」
「だって……」
「なっ?!」

潤んでた智鶴の瞳が潤みを通り越して涙が零れた!!

「オイ!?智鶴?」

う…うそだろう???マジか!?

「だって……レンジさん最近私にそう言うこと全然言ってくれないじゃないですかぁ!!」

「!!」


言い終わった途端本格的に智鶴の瞳から涙が溢れ出した。







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