その後は時間通り朝食が運ばれて隼斗は朝から食欲旺盛でこっちが引くくらいの量を食べてた。
『あんだけ運動すりゃあな ♪ 』
なんて聞いてもいないことまで答えてた。
私は逆に食欲はなかったけど…身体が痛くてそれどころじゃないっての!
チェックアウトを済ませて車に乗り込む。
部屋を出てから車に乗り込むまで隼斗が何気に私の腰に腕を廻して寄り添ってたけど
そうしないと足元が怪しかったから振り払うことも出来なかった。
「どうする?どっか見たいトコあるか?」
「うーん…多分まともに歩けないからその辺ちょっとドライブして帰ろうか?」
勿体ないけど仕方ない…
「確かこの先にドライブコースがあったはず…」
そんなことを言いながら隼斗がナビを操作する。
「お!あった!」
「本当?」
湖と山を同時に回れるコースらしい。
「ああ。んじゃ行くか」
「うん」
「安全運転ね」
「わかってるって」
隼斗はそう言うと車を発進させた。
湖と山あいを走るのは気持ち良かった。
景色も最高だったし。
いつかまた……今度はお義父さんとお母さんも一緒に来たいと思った。
「なあ千夏」
「ん?」
「ちょっと寄りたい所があんだけど…」
「寄りたい所?」
ドライブコースを走り終わって家に向かって車を走らせながら隼斗が伺うように聞いてきた。
「いいわよ」
「サンキュー ♪ 」
「?」
なに?その怪しげな笑いは?
「え?」
「はは ♪ 」
「ちょっと隼斗?」
「悪ぃ我慢できねぇ」
「だからって」
「それに帰ったら早々大胆に出来ないからな」
「え?」
「親父達にあんときの声聞かれんのヤだろ?そうすっと気にしないで出来るっつたらホテルしかねーじゃん」
「だからって…」
なんで今からラブホテル?隼斗が寄りたいと言った場所はどう見てもラブホテル!
「千夏を抱きてーんだから仕方ない」
「却下!!無理だから!」
ホント真面目に無理だから!!
「ハイハイ」
「ちょっと!」
私の抗議の声も虚しくホテルの駐車場に車を入れる。
降りようとしない私の助手席側に隼斗が外から廻って来たから中から鍵をかけてやった。
ザマァミロ!開けられないでしょ ♪ フッフッ ♪
得意気になってるところにガシャリ!と音をたてて勝手に鍵が開いた。
「え?なんで?」
何の抵抗も無く開いた助手席のドアの向こうで隼斗の何ともいえない憎たらしい笑顔が私を見下ろしてた。
「リモコンキーだっての。アホか」
「!!」
そう言えばそうだった!
「きゃっ!」
腕を引っ張られて外に出されるとそのまま隼斗の肩に担ぎ上げられた。
「ちょっと!やめてよ!」
「黙れ。暴れんな」
筋肉痛だってのに背筋使わせんな!何とか身体を起こして隼斗の背中をバシバシ叩く。
ビクともしないけど。
「時間が勿体ねーだろ。大人しく抱かれてろ」
「だから身体痛いって言ってるじゃない!」
「だから解してやるって ♪ 」
「ウソでしょ!ここに来てマッサージなんてはずない!」
「ちゃんとマッサージしてやるって ♪ 全身くまなく」
「きゃっ!ちょっと…やっ!」
そう言って隼斗は担ぎ上げられて無防備な私の腿からヒップをスカートの中に手を入れて
直接やわやわと揉みながら触ってきた。
「スケベ!」
「ハハハ諦めろ ♪ 」
「うーーー」
諦めきれるかっての!!
いつの間にか部屋まで決めてて迷うことなくドアを開けた。
一直線にベッドに向かうと担ぎ上げた時とは違って優しく下ろされた。
そのまま隼斗が覆いかぶさってくる。
「ちゅっ」
そっと触れるだけのキスをされた。
普段大雑把で男っぽい隼斗がそんなことをすると悔しいことに胸の奥がキュンとなる。
「千夏…好きだ」
触れるだけのキスを繰り返しながらそんな言葉を囁いた。
さらに私の胸の奥がキュンとなる……もう反則よ!反則!!
「千夏は?」
「………」
「俺のこと好きか?」
「じゃなきゃあんなことしない…」
ボソボソと呟く私。
「ならちゃんと言えよ」
「!!」
なに?なんでよ!?
「言え」
「ひゃっ!」
耳に直接囁かれて身体がビクリとなる。
「俺はいつでもどこでも何度でも誰がいても言えるぞ。千夏…俺はお前のことが好きだ……」
隼斗がそう言ったあと一息置いた。
「愛してる……」
「!!」
「やっと手に入れた。ぜってー離さねぇ……」
「は…ぁ…隼斗…」
身体中痛みがあったけど隼斗に揉みほぐされたらあまり痛みを感じなくなった。
それとも……もっと他に痛みを感じなくさせるものがあるのかしら…
「千夏」
お互い抱きしめあって舌を絡めるキスをしながらベッドの上を2人で泳いだ。
キスをしながらクルクルとお互いの位置を変える。
しばらくそんなことをして唇が離れるとオデコをくっつけてクスクスと笑う。
「あ…んあ…あっあっ…隼斗…手……」
隼斗の上で抱かれながら伸ばした両手を隼斗がしっかりと指を絡めて繋いでくれた。
「千夏マジ最高 ♪ 」
言ったと同時にさらに強く下から押し上げられて大きくのけ反る。
ギシギシとベッドが軋んで激しさが増してるのがわかる。
「あっあっやあ…ダメ……あああ!!」
昨日から隼斗は私を抱き始めるとまるで終わりがないかのように抱き続ける。
「ん…ンン……」
キスも何度も何度もされて唇がピリピリと痛む。
隼斗もそうなのかな?
「隼斗……」
「ん?」
ダメだ……
「はぁ……隼…斗……」
「なに」
のけ反った私の首筋を隼斗の唇が触れて…キスして…舐めていく…
「ぁ…ン……」
そのまま唇を重ねられて隼斗の舌が絡み付く…
ダメだぁーー隼斗の全部が気持ちイイーー
そんなことを思うなんてもう自分が隼斗の手に落ちたのがわかる。
「隼斗…」
「ん?」
「好き…私も愛してる…」
はあーーー言っちゃった……
「♪ ♪ ♪ ♪ ♪」
隣で運転してる隼斗は上機嫌で鼻歌を歌いながらハンドルを握る。
「もう隼斗のバカ……」
私は少し倒した助手席のシートにグッタリとして座ってる。
「んなコト言ったって千夏があんな嬉しいこと言ってくれたからだろ ♪ 」
「言わなきゃ良かった……」
あの後私の告白を聞いた途端隼斗は今までで最大の大暴走をやらかした。
本当に壊れちゃうんじゃないかと思えるほど攻められて今までしたことのない恰好も
散々させられておおいに鳴かされた。
おかげで身体はぐったりで助手席に大人しく座ってる。
気が緩むと寝ちゃいそう。
「しかし楽しみだな〜 ♪ 」
「なにが?」
何でだか隼斗はニコニコ顔。
「あんだけ生でしたんだから絶対子供できんだろ?だから楽しみ ♪ 」
「隼斗…」
「なに ♪ 」
「喜んでるところ申し訳ないんだけど子供はできないよ」
「は?」
一瞬だけど隼斗の運転が不安定になった。
なに言ってんだお前?って顔で私を見つめてる…それって余所見運転だって!!
「ちょっと!ちゃんと前向いてよ!」
「……何でだよ!」
やっと隼斗が前を向いた。
「だって全然のまったくの安全日だもん!」
キッパリと言い切った私。
「んなことはない!絶対出来てる!」
「………」
だからそれはないってば。
なんせ次の生理の予定が数日後だもん。
だから今回隼斗が避妊しなくても慌てなかったんだから…って隼斗にちょっと罪悪感?
「あんだけ愛情一杯で愛し合ったんだから絶対出来てる!!」
そう言い張る隼斗にもう何も言うことはないと思って私は黙ることにした。
結局お義父さんとお母さんが帰ってきたのが私達が旅行から帰った次の日だった。
隼斗の言ってた通り私たちのことを報告すると 『そっかそっか』 と
ニコニコの顔のお義父さんとその横でうんうんと頷いてるお母さんだった。
やっぱりバレバレだったのね……
その次の日に隼斗と2人で役所に婚姻届を提出した。
ついに私は隼斗のずっと夢だった 『隼斗のお嫁さん』 になってしまった。
うーーん…ちょっと悔しい気もするけど隼斗が他の女のものになるなんて自分の中で
やっぱり許せることじゃなくてもう2度と隼斗が他の女と抱き合うなんて絶対嫌だったから…
私ってとんでもなくヤキモチやきなのかもしれないと密かに思った。
「10ヵ月後には3人家族だな ♪ 」
今日確実に妊娠してないとわかったのをちょっと伝えにくい苦笑いの私に
未だに自信満々の隼斗は外だということをまったく気にせずキスをした。
夜にそのことを知った隼斗はこっちがビックリするくらい落ち込んでたけどすぐに 『リベンジする!』
と復活してた。
う〜〜ん…ホント私の旦那は色々とタフな男だ。
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