Love You !



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「ぁ…」

智鶴の身体から着てるものを全部剥ぎ取って裸の身体をベッドに横たえる。
黒柳は身体には何も無かったと言ってたが確かめずにはいられない…

「智鶴…」

首筋から耳たぶまでキスをしながら這い上がる…

「ひゃん…」
「奴に身体触られてねーだろな?」
「……はい…」
「キスもか?」
「……はい…」

智鶴が何となく両手を身体の下に隠した。

「あ…ダメです!」

掴もうとしたら智鶴が余計に引っ込める。

「見せろ。」
「あ…」
「!!」

強引に掴んで引っ張り出した智鶴の左手首にうっすらだが赤く紐で縛られた痕が付いてた…
右手首にも…あの野郎…

「ごめんな…さい…」
「智鶴…」

智鶴が涙をぽろぽろ流す。


情けなくて申し訳なくて…涙が止まらない…
こんな私を許してくれたレンジさん…本当にごめんなさい…

「ちゅっ……ちゅっ…」

「あ…」

レンジさんが私の赤くなった手首にそっとキスしてくれた…

「智鶴…」

私の唇に触れるだけのキスをして…だんだんと深い深いキスになる…

「ン…ンン……」

その後は身体全部にレンジさんがキスしてくれた…

「は…ぁ……」

レンジさんの手の平が私の胸に優しく触れながら唇を押し付けていく…
時々チクリとする感覚はきっとレンジさんが私の身体に印を残してくれてるの…


レンジさんの腕の中…私の大好きな場所…


私の敏感な場所にレンジさんの指が触れた…それだけで身体がレンジさんに反応する…
自分でもわかる…あっという間に潤って…レンジさんの指がスルリと離れた…

「…あっ!……んんっ!!」

いつもと同じ様に何の躊躇もしないでレンジさんが一気に私の中に入ってくる…

「…ん…ぁ……」

私もいつもと同じ様に…その瞬間レンジさんに掴まって大きくのけ反る…

「智鶴…」
「は…い…」
「上に来い…」
「………え?あっ!あっ!やんっ!!!」

レンジさんと繋がったまま強引にグルンと体勢を入れ替えた。
そんな事初めてで…

「あ…や…」

レンジさんが私を下から見上げてる…
私はこんな姿勢が初めてで…とにかく両手をレンジさんの胸の上に着いた。
いつもよりもレンジさんを身体の中で感じてる……

「あの……あっ!あっ!ああっ!!」

レンジさんの両手が私の腰をしっかりと押さえたと思ったらいきなり激しく動き出した。
私の身体が大きく揺さぶられてレンジさんの上で揺れる……
腰を掴んでたレンジさんの手が下から持ち上げる様に胸を揉みはじめるから…
また別の感覚で身体の中が疼く…

何度も何度も押し上げられて私はレンジさんの腕と胸に指が食い込むくらい爪を立てた。

「智鶴…」
「…うぁっ…」

レンジさんが腹筋で起き上がるとその時だけもっともっと身体の奥まで押し上げられて
大きく後ろにのけ反った。

「ハッ…ハッ…やっ…もう…ダメです……も…」

ベッドがギシギシと激しく軋む…
同じくらいに私の身体も激しく揺れる…だから…もう身体の中が弾けそうで…

「智鶴……」

私の名前を呼びながらレンジさんが優しいキスをたくさんしてくれる…
私は目の前のレンジさんの首に腕を廻してギュッと抱きしめた。

「ハァ…ハァ…レンジ…さん…好き…本当に好きなの…なのに…今日は…ごめんなさい…私…」
「もう…いい…わかってる…」
「こんなに好きなのに…私…ごめんなさい…あっ!ああっ!」
「智鶴を抱くのは俺だけ…それがわかってればもういい…」
「は…い…もう…他の人になんて思ったりも…しな……あっあっあっあああっ!!」

レンジさんの肩を思い切り握り締めながら大きく後ろにのけ反った。
頭の中は真っ白で…そのままレンジさんの肩に項垂れる様に力が抜けた……

「はぁ…はぁ…」

「智鶴…」

「……はぁ…は…い…」

「愛してる……」

「 !! 」

乱れてた息が…止まっちゃった…

「俺は智鶴を愛してる……だから智鶴は俺と結婚する。ずっと俺の傍にいる…わかったか。」

「……は…い…はい…わか…わかりました……うっ…」

嬉しくて…涙が溢れて溢れて……止まらない…

「…………」
「うっ……ひっく……」

泣いてる私をレンジさんはずっと抱きしめてくれてた…
私の大好きなレンジさんのこのぬくもり…ずっとそばにいて感じたい…

きっと涙で濡れてぐちゃぐちゃな顔だったと思う…
それでも手の甲や手の平で涙を拭った。

「!」

レンジさんの首に腕を廻して真っ直ぐレンジさんを見つめる…

「智鶴?」

「………私も……レンジさんのこと…愛してます…
こんな私ですがレンジさんにふさわしい女性になれる様に…
これからたくさん頑張ります…だから……」

「………」

「だから……宜しくお願いします…ちゅっ!」


私からレンジさんにキスをした……



その後は時間を忘れるくらい愛し合った…

こんな幸せな時間を私は自分から手放す所だったんだって…改めて思った…

だから…もう…2度とあんな事はしない…

どんな事があっても…ずっとレンジさんの傍にいたいから……

だからこれからは……どんな事があってもずっとレンジさんの傍にいる……





次の日社長に呼ばれて事務所に行くと社長室に黒柳と事務所の顧問弁護士が待機してた。

「智鶴さんは大丈夫か?」
「今朝から熱出した。」
「ん?」
「レンジあなた智鶴さんに無理させたんでしょ?」
「……させてねえ…」
「最初の間が物語ってるわよ!」
「うるせぇな!」

智鶴からあんな可愛い事言われてその気にならないわけがねぇ…
昨夜はいきなりあんな衝撃的な事言われて…ホント智鶴は突然俺の胸に拳を叩き込む。

それが殆どクリーンヒットで結構な衝撃を喰らわせてくれる。

智鶴からのキスなんてもっと抱いてくれって意味だろ?

だからあの後は無理をさせた気もするが…だからってそれを今ここで正直に言う事も無い。


「まあ丁度いいんじゃないか?2・3日休ませて出社した頃にはすべて丸く収まってるだろう。」
「あ?」
「朝一で高田先生にあちらさんに行って貰った。何も嫁入り前の若い娘さんを表に出す事は無い。」
「…………」
「あの男を訴えるのに会社の管理不行き届きも一緒に訴えると言ったら途端に慌てたそうだ。」
「なんせこの業界5本の指に入る大手プロダクションに訴えられたら目立ちますし
マスコミにしても注目の的ですからね。ですからなるべく穏便に済ませたいとこちらからも提案して
相手の会社の誠意を見せて頂けたらこちらも考えると申し上げました。」
「で?」
「他所に飛ばすそうだ。表向きはそうだがもう将来先の望めない部署だそうだ。」
「ふーん…」
「あまり騒ぎ立てて智鶴さんが表に出る様な事になったら困るしな……レンジ。」
「あぁ?」
「これで納得してくれるか?」
「仕方ねぇだろ…俺は直接殴れれば満足だけどよ。」
「だからそれじゃこっちが立場悪くなるって言ってるでしょ!」
「…………」
「恭子の話だともう智鶴さんに近付く様な事も無さそうだしな。
まあ自分が蒔いた種だ自業自得だな。」
「次に奴が智鶴の周りをうろついたら俺は知らねぇからな。問答無用で殴り倒すぞ。」
「その時は仕方ないな。」
「社長!社長がそんな事言っては困ります!」
「お前さんだって本当は殴ってやりたかったんだろう?良く我慢したな。」
「………そりゃ私だって色々考えますよ。」
「ふふ…大人になったな恭子は。」
「社長!もう30過ぎてるんですよ!子供扱いはやめて下さい!」
「ぷっ!」
「何笑ってんのよ!レンジ!」
「悪りぃ…くっくっ…」
「もう…」
「あとはあのお騒がせのお嬢ちゃんだが…」
「ん?」
「仲村留美よ!元はあの子のあの騒動からなんですからね!」
「子供の不始末は親の責任だからそう言っといた。今に何かしら言って来るだろ。」
「?」

その時社長の言ってる意味はわからなかったが後日あの仲村留美の父親が記者会見を開いて
娘の騒動を詫びた。

『親の私の管理がなっておらず鏡君には大変ご迷惑を掛けました。
お付き合いしてる方までいらしたのに…本当に申し訳なく思っております。
今後娘の留美には軽はずみな行動や言動は充分注意する様にきつく言い聞かせるつもりですので…』

黒柳の話だと仲村留美の父親はウチの社長の俳優時代の後輩に当たるらしい。
昔から社長には頭が上がらないと言ってた。

『自分の娘のした事くらい親のお前が責任取らんか。
これでレンジとお付き合いしてる娘さんとの仲がこじれたら
仲村?一体どう責任取ってくれるんだ?ああ?』

そんな事言われりゃ嫌でも謝罪だろ。

当の仲村留美はその後別の歌手と噂になったがあれっきり俺とは会ってない。


「……あ…お帰りなさい…」
「いいって…無理すんな。寝てろ…ちゅっ…」

寝室で寝てる智鶴にただいまのキスをする。

智鶴はあの日の次の日から熱を出して俺の所で休んでる。
今日で3日目だ…あの事が原因なのかわからないが社長の言う通り丁度良かったかもしれない。

「でももう熱も下がったし明日から会社にも行けます。」
「そうか?別に無理しなくてもいいんだぞ。」
「大丈夫です。もう3日も休んじゃいましたし…」
「そうか…じゃあ本当に無理するなよ。」
「はい。」
「智鶴…」
「はい?」

「このままここで…一緒に暮らさねぇか?」

「……え?」

大分前から思ってた事を今やっと言えた。

「智鶴見てると1人で置いとくのが危なっかしくてかなわねぇ。俺がいつも一緒にいてやる。」

「………レンジさんと…いつも…一緒?」

「ああ…嫌か?」
「…………」

フルフル智鶴が首を振る。

「じゃあ決まりだな。早目に荷物整理してこっちに引っ越して来い。」
「はい!あ…でも…来月一杯まで今のままで良いですか?」
「はぁ?何でだ?来月一杯ってあと1ヶ月半もあるじゃねーか!」
「だって…」
「だって何だ?何を優先するって言うんだ!あぁ?」
「だって…出て行く時は1ヶ月前に言って下さいって契約書に書いてあるし…
それに来月一杯で丁度契約も切れますから。」
「はあ?」
「ダメですか?」

ダメですか…って…

「智鶴は…智鶴はいいのか?1ヶ月半も先延ばしだぞ。」
「仕方ないです。その間通い妻します。」
「通い妻って…」

何だかそそる響きじゃねーか…

「ダメですか?」
「スゲェ心配だ。」
「……ごめんなさい…」
「週の半分はこっちで過ごすなら許す。」
「本当ですか?」
「ああ。」
「あ…」
「何だ?」
「いえ…何でも無いです…」

今微笑んだレンジさんの笑顔…いつもの…いつもじゃない笑顔だった?


別に構わねぇぞ智鶴。
何だかんだ理由を付けてずっとここにいさせる自信があるからな。
その間の家賃が無駄になるが後で俺が出してもいい…


レンジがそんな企てを考えてるとは知らない智鶴であります。




「おはよう小笠原さん。もう大丈夫なの?」
「あ…服部さんおはようございます。」

4日ぶりの会社…
私は永井さんが気になったけどレンジさんがもう心配する事は無いって言ってくれたから…

「すみませんでした…3日間もお休みして…」
「それは構わないんだけど!小笠原さんが休んでる間に急展開だったのよ。」
「急展開?ですか?」
「永井さん!」
「!!」

名前を聞いただけでも身体がビクリと反応しちゃう…

「な…永井さんが…何か?」
「いきなり異動よ!」
「異動?」
「しかも本社に戻るどころか地方の支店に飛ばされちゃって…
なんでもそこは辞めさせたい人が飛ばされる所なんですって!」
「え?」
「会社から辞めろとは言えない人をそこに配属させて自分から辞める様に
持って行く場所らしいわ。噂じゃ行く所行く所で女の子に手を出してたのが
バレたらしいって…」
「…………」
「まあ自業自得よね。ただとんでもなく急な事だったから…
会社がよっぽどヤバイと思ったのかしら?
きっと今までチョッカイ出した女の子に訴えられたんじゃないか
なんて言われてるけど…あり得そうよね。」

「…………」

きっとレンジさんの事務所が動いてくれたんだと思った…

「そうそう!小笠原さんお宅の彼氏カッコ良かったわよ〜
元々イイ男だけどちゃんとキッパリ言い切ってたし。
「結婚を前提に付き合ってます。」 って ♪」
「え?あ…そ…そうですか?ありがとうございます。」
「今まで怖いイメージだったけどちょっと見直しちゃったわよ。」
「そうですか?レンジさんとっても優しい人ですよ。」
「やあね〜〜ノロケちゃって ♪」
「あ…いえ…そんなつもりじゃ…」


それからしばらくの間服部さんにからかわれて…ほんの数日前の事が嘘の様だった…


そう言えば私レンジさんの記者会見て無いのよね…

黒柳さんに言ったら見せて貰えるかな?後で聞いてみよう…


なんて暢気な事を考えていた……





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