「30か…」
まだあと数年あるけど確かに色々気になる所はある…
元々そんなイケてる身体じゃないからなー
引き締まってるわけでもなし…ボン・キュウ・ボン!ってわけじゃ無いし…
最近じゃ重力にも勝てなくなってきた気もするし…特に胸とお尻辺りが…
反対に妹の安奈はスタイルいいんだよなー
『努力してるもの!』
なんて言ってたな…確かに私は自分の身体にお金なんて掛けないし…
化粧品だってランクから言えば中の下のシロモノだし…
『そんなんだから男にモテないのよ!』
って安奈に言われたっけ……って…何でこんなに落ち込まなきゃいけないのよ!!
濡れた身体をバスタオルで拭きながらテンション低!
「……ん?」
着替えようと思ったら…
「あれ??無い!パンツが無い!!なんで??まさか途中で落とした!?」
身体にバスタオルを巻いて廊下に繋がるドアを開けてこっそり覗くと
階段からちょっと先の廊下にポツン!と私のパンツが落ちてるっ!
良かった…何とかリビングの連中には気付かれて無いらしい…
どう見ても「パンティ」とは言えない代物…
「今のうち…」
サッと飛び出した。
「よし!」
身体だけ屈んで下着を掴んで立ち上がった。
「翔どこいくの?」
「トイレ。」
「廊下で出て真っ直ぐよ。」
「ああ…」
そんな声が聞こえてリビングの扉が開いた…この声は安奈の後輩の…あの…
リビングのドアから浴室とトイレは廊下一直線上……
ちょっと!ちょっと!ちょっとっっ!!!!
「あ…」
「 !!! 」
バッチリ目が合った!!
「……………」 「……………」
お互い無言でしばらく見つめ合う……
「………失…礼…」
私はそう言って何事も無かったかのように彼に背中を見せて浴室に歩き出す…
たった…ほんの数メートルの事なのにもの凄い緊張した…
「あー」
彼の呆れた様な…何とも言えない声が聞こえた…
バ タ ン !!
と後ろ手にドアを閉めてその場にしゃがみ込む!!!
「見られたーーー!!もぉ〜〜〜〜恥ずかしい〜〜〜!!!」
あんな若い男の子にこんな姿見られた〜〜〜!!!
まあ…でもこんなオバサンのたるんだ身体なんて見たって逆に眼の毒だったかしら…
それにしても何一つ顔色変えない奴……もしかして視力悪いとか?
「…………」
二の腕だってぷるんぷるん……足だって太いし…
こんな身体…本当に見られたのかしら……
コ ン コ ン !
「ひっ!!」
落ち込んでたら浴室のドアがノックされた!!え〜〜〜〜!?なんで??
「…………」
何も言わず黙ってた…だって何答えればいいのよ…
「下着ドアの前に置いとく。」
「 !! 」
はあ?下着?何言って…下着ならここに……
「……え?」
いやーーーーーっっ!!うそ!!!無いっ!!無いわーーー!!
そんなおかしい…さっきしっかりと拾って握ったはずなのに…
でも手元に無い事は事実…
「……………」
ちょっと先のトイレのドアが閉まる音がしたから速攻洗面所のドアを開けて
ドアの目の前に置かれてた自分の下着を鷲掴んで急いでまたドアを閉めた!
「……やだ…」
紛れもない…私のパンツだ…
「どうしてよ………」
流石に……恥ずかしいんですけど……
部屋に戻って自己嫌悪に陥ってた…
もっと洒落たパンツだったら良かったのに…ってそう言う問題じゃない?
でも私ってそう言う所に気を使わないからダメなんだろうな…
「………はぁ…」
でも…まあ…考えてみたら安奈の後輩でそうそう彼に会う事も無いだろうし…
それに彼だって私が先輩の姉だってわかったんんだし…
もう向こうから絡んで来る事は無いでしょう…
Back Next
拍手お返事はblogにて…