内藤 「まあ、それなりに」
椎凪 「弱いくせに酒グセ悪いルイさんよりマシ! それに少しは飲めるから!」
瑠惟 「
瑠惟 「あんた強そう」
和海 「いえ…そんな…」
内藤 「みんな来るって?」
椎凪 「はい。大丈夫って言ってました」
瑠惟 「堂本? あんた飲めんだっけ?」
瑠惟 「え? そうだっけ? あんた人並み以下だから記憶に残ってないわ。あたし酔ってても、いい男しか相手にしないからさ!」
あ! 堂本君撃沈。
椎凪 「耀……」
ドン!!
椎凪 「わあ!」
瑠惟 「耀君! いやぁ〜ん、久しぶり♪ 相変わらず可愛いわねぇ」
だきっ!
瑠惟 「あら? そちらのハンサムさんは?」
ルイさんが耀くんに抱きつきながら、肩越しにふたりを覗き込んだ。
慎二 「こんばんは」
椎凪 「橘慎二君と新城祐輔君。祐輔は深田さんの彼氏だよ」
瑠惟 「ええっ!! 深田の彼氏!? うそっ?」
和海 「あ…本当……です」
瑠惟 「生意気っ!」
ぎゅっ!
和海 「瑠惟さん、痛いです。ほっぺた、放して下さい!」
瑠惟 「なによー! はーショックだわ! 奥手っぽいあんたに負けるなんて。やっぱりあたしには耀君しかいないわ!」
椎凪 「だから、耀くんはオレのものだから。オレ達、付き合ってんの! 毎晩愛し合ってるんだから、ルイさんの入る余地ないの!」
瑠惟 「なんですってっ!! あんた、いつのまに…」
椎凪 「あっ! ヤベッ。ルイさんにはナイショだった」
耀 「椎凪! みんなの前でやめてよね! 恥ずかしいだろ!」
内藤 「慎二君、イケる口でしょ?」
慎二 「え? あ…はい。それなりにお相手できますよ。さあ、皆さんも乾杯しましょう。座って座って」
椎凪 「な、なんで慎二君が、オレと耀くんの間に座ってんの?」
慎二 「え? だって2人でくっつけとくと、すぐふたりの世界になちゃうじゃないですか。人目がありますからね。」
椎凪 「余計なお世話なのに…」
慎二 「なにか言いました? 椎凪さん!」
椎凪 「いえ……なにも……」
「明けましておめでとうございます。今年もよろしく」
──── 一時間後。
瑠惟 「ちょとぉ〜〜なんなのよぉ〜〜あんた達はぁ〜〜」
お酒強い組……内藤・慎二・和海・耀。
お酒弱い組&hellip…;椎凪・祐輔・瑠惟・堂本。
2組の差が歴然と出た。
瑠惟 「なんかムカつくぅ! あんた達、ホントに飲んでんのぉ?」
慎二 「はい。多分あなた達よりも飲んでると思いますよ」
慎二君がお酒なんか飲んでないかのような、爽やかな笑顔で答えた。
瑠惟 「あ! なに? アンタあたしのことバカにしてるれしょ? ウイッ!」
慎二 「してませんてっば」
さらに、ニッコリ笑顔。
瑠惟 「してる! 生意気ーーっ!」
ルイさんが言いながら、慎二君の顔を両手でガッシリと掴んだ。
慎二 「!」
椎凪 「わあっ! ちょっと、ルイさん! やめなって!」
また悪い癖が始まったよ。
仕方なく、オレはふたりの間に割って入った。
椎凪 「うっ!!」
突然ルイさんが慎二君を掴んでた手を離してオレに向き直ったかと思ったら、オレにキスをしてきた!
椎凪 「ちょっ……と、ルイさん!!」
オレは慌ててルイさんから離れる。
耀くんがいるんだぞ!
まったく、なに考えてるんだよ。
瑠惟 「なによぉ〜いつもしてんじゃない……ヒック!」
耀 「へーいつもしてるんだ……」
冷めた声で、耀くんがボソリと言った。
椎凪 「わあああ! してない! してないって! ルイさん酔ってるから、なにか勘違いしてるんだよ」
内藤 「たしか
堂本 「はいっ! オレ、何回か見ましたっ! ウイッ! いつもはもっとスゴイれす」
椎凪 「ちょっ……なに言ってんの、堂本君! 君も飲みすぎじゃないの」
余計なこと言ってんじゃねえよ! 黙れっ! 酔っ払い!
耀 「なんでそんなに慌ててんの?」
椎凪 「うっ! あ、慌ててなんかないよ」
ヤバイっ!
耀 「へーそうかな?」
慎二 「耀君。とりあえずあとでちゃんと説明してもらいましょうよ。ね? 椎凪さん。フフ♪
時間はたっぷりとあるんですから。楽しみだなぁ……僕」
椎凪 「…………」
なに? その恐ろしいふくみ笑いは!?
新年早々、なんでオレは慎二君に説教喰らわなきゃいけないんだよーーっ!!
なんでオレだけがこんな目に!?
酔いも醒め、これからあとのことを想像すると溜息が出た。